◤WEB担当者向け◢ Cookie規制で何が変わる?押さえるべき3つのポイント!
そもそも…Cookieって何?
Cookie(クッキー)は、WEBサイトにアクセスした際に発行されるテキストファイル情報のことです。
CookieにはWEBサイトを訪問した日時や訪問回数、入力したデータなどが記録され、一時的に利用しているWEBブラウザに蓄積されます。
会員制サイトでログイン情報を再入力せずアクセスすることができたり、ECサイトで買い物かごに入れた商品がそのまま残っていたり…
Cookieのおかげで私たちはWEBサイト閲覧を快適に行うことができるのです。
Cookieの何が問題?規制の背景とは
Cookieは、私たちユーザー側だけでなく、WEBサイト運営者やWEBマーケティングにとっても重要な役割を果たしています。
ユーザーのWEBサイト閲覧情報を判別することで、ユーザーの好み・関心に合わせた情報を提供したり、WEB広告を配信することが可能となっています。
そんな便利なCookieですが、近年の世界的なプライバシー保護の観点から、Cookieのマーケティング利用に「待った!」がかかっているのです。
サードパーティーCookieの利用が抱える問題
Cookieには2種類あります。それぞれの違いは「Cookieの発行元」です。
1. ファーストパーティーCookie
ユーザーが訪れているWEBサイトから発行されるCookieを「ファーストパーティーCookie」と呼びます。
WEBサイト上の閲覧履歴やログイン情報、買い物かご情報を保存する等、ユーザーのWEBサイト閲覧を快適にするために使用されています。
2. サードパーティーCookie
ユーザーが訪れているWEBサイト以外から発行されるCookieを「サードパーティーCookie」と呼びます。
「複数WEBサイトでの横断的な利用」を追跡することができ、リマーケティング(追跡型)広告の仕組みはこのサードパーティーCookieによるものです。
サードパーティーCookieはWEBマーケティングにおいて大いに役立ちますが、その性質上「サイト閲覧履歴を知らない間に収集され、追跡されている」ことに嫌悪感を示すユーザーも少なくありません。
世界的なCookie規制の流れ
上記のような性質を持つサードパーティーCookieは、EUや米国で規制強化が進んでいます。
日本でも、2022年4月に施行された改正個人情報保護法では、Cookie は「個人関連情報(個人に関連する情報であり、個人情報ではない)」という位置付けになり、第三者への提供や個人情報との紐付けを行う場合は本人の同意が義務化されています。
さらに、WEBブラウザを提供する企業においてもサードパーティーCookie規制の動きが高まっています。
iPhone搭載ブラウザであるSafari(Apple社)は、2020年3月よりサードパーティーCookieをデフォルトで完全にブロックしています。
デスクトップブラウザ国内シェア1位のChrome(Google社)は、サードパーティーCookie規制を2023年より段階的に行っていくと発表しました。
Cookieレス時代、どう変わっていく?
WEBマーケティング業界にCookie規制が与える影響
● WEB広告において、リマーケティングが困難になる
コンバージョン(成果)獲得率の高いリマーケティング広告はサードパーティーCookieを活用しています。
規制が進めば、ユーザー行動の追跡が困難になり、パフォーマンスが低下する可能性があります。
このような状況が続くと、過剰に消費者感情を煽る・刺激の強い内容で成果を追い求める広告が増加する可能性があります。
● アクセス解析ツールにおいて、計測値が正確でなくなる可能性がある
WEBサイトアクセス解析ツールは、ユーザーの流入経路や関心の傾向の取得においてサードパーティーCookieを活用していました。
そのため、従来の計測手法のままでは数値が正確でなくなる可能性があります。
Googleアナリティクスの新バージョン『Googleアナリティクス4』は、サードパーティーCookieに頼らない、機械学習による計測手法によって、時代に即したアクセス解析を可能としています。
参考: ◤来年6月UA終了◢ Googleアナリティクス4は早めの設定を!
Cookieレス時代のマーケティングで押さえておくべき3つのポイント
ポイント1. 顧客理解を深めるマーケティングの必要性
サードパーティーCookieの規制が進めば、代替テクノロジーが生まれない限り従来のターゲティングの精度は落ちていくと予想されます。
消費者にとって必ずしもピンポイントでない広告が溢れる世界では、「ユーザーから能動的に選ばれる」仕組みづくりが重要な課題となります。
そのため、ペルソナの設定やカスタマージャーニーに沿った広報戦略など、「顧客理解」をより重視したマーケティングが必要となることは間違いありません。
ポイント2. サードパーティーCookieに頼らないWEBサイトアクセス解析ツールの導入
データ取得においてサードパーティーCookieを活用する解析ツールは、計測値が正確でなくなる可能性があります。
現在利用しているツールがCookie規制にどのように対応しているか、今一度確認しておく必要があります。
Googleアナリティクスをご利用中の方は、『Googleアナリティクス4』への切り替えが完了しているかどうか、今のうちに確認しておくことを推奨します。
ポイント3. LPO(ランディングページ最適化)施策の強化
ユーザー追跡が規制されつつある現在、リマーケティング広告を活用してコンバージョン(成果)獲得率を高める施策は、今後困難になっていくと予想されます。
Cookieレス時代においては、広告の受け皿となるLP(ランディングページ)での刈り取りが特に重要となってきます。
「WEB広告を配信して終わり」ではなく、配信しながらLPのファーストビューやページ構成を常に検討・見直しを図る必要があります。
Cookieが抱える問題と規制の背景、押さえておくべきポイントについて説明いたしました。
サードパーティーCookie規制によって、従来のWEBマーケティング手法は変化しつつあります。
これにより、マーケティングの基本となる「広報戦略設計」の重要性が今後ますます高まっていくことが予想されます。
当社では、在籍するマーケティングのプロが、印刷物・WEB・リアルイベントなど、媒体問わず全体広報戦略の設計からお手伝いさせていただきます。
「このプロモーション手法は合っているのだろうか?」「印刷物からWEBまで、包括的なプロモーションを行いたい」「ペルソナの設定など広報戦略から提案してほしい」など、まずはお気軽にお問い合わせください!